とんがらし3~関西からの来訪者~

夜勤明けの朝は、異動の内示を控えて緊張感が漂ってました。異動となれば勤務先も変わる、仕事の内容も変わる、人間関係も変わると仕事を引き継いだり引き継がれたり、新しい仕事を覚えたりとかなり大変なことになります。異動したい人もあればしたくない人もあり、故に毎度のコトながら緊張した雰囲気が漂うんですよね。来春まで異動はない自分としては安心ですが、それでも誰が異動するかは気になりますし、以降の体制も把握しておかなければなりません。
いよいよ発表される内示、やはり中には思いもよらない異動もあったようで、自分の係にも1人。早速電話で連絡して呼び寄せたところ、ものの見事に半信半疑な表情を浮かべながらやって来ました。事態を飲み込んだところで緊張した面持ちに変わります。「なんの経験もないのにイキナリですか・・・」、そう、異動とはそういうもの、常に物事は未経験から始まるのだから異動もきっかけの1つと割り切って前向きに頑張るべし!
おおかたの内容を把握したところで、今日は約束があるので一足先に帰りました。

その約束とは、タンタン麺を食す会。「またかい!」とツッコミがくるとは思いますが、関西からわざわざ「四川」のタンタン麺を食べたいというありがたいポポロ仲間がいるので付き合わなくちゃあ男がすたるというもの。しかも道連れもいるって言うんですから楽しみなことこの上なし。ということでやって来たのはwashiとミュトスさん。ミュトスさんは関西オフやファミ通のコンサート等県外で何度かお会いしたことはあるものの愛知県ではお初となります。当然「四川」も初めてなわけで果たしてどのような感想を得られるのか実に気になるところでもありました。

電車の遅れなどなど少々時間が遅くなり、店に到着する頃にはちょうど12時と昼食時真っ只中になってしまったのである程度の待ちは覚悟していましたが、幸い今日は普段よりも空いていたらしく、すぐにお店に入ることができました。無論お店のおばちゃんからは「また来たのね」と目で言われたのは言うまでもありません。
注文を聞きに来るやいなや「タンタン麺3つ!」今回これを食べにきたんですから選択の余地などあるはずもなく。一応食べる前にある程度の心の準備をしておいてもらわなくてはいけませんからミュトスさんには道中を含めて「赤いというより赤黒い色している」とか「ココイチの10辛よりも辛い」とか「この店より辛いところは多分見つからないはず」とか「辛いのは間違いないから覚悟しておいてねー」というニュアンスでイメージを伝えておきました。無論washiに至っては過去3回の経験からその言葉が決して大げさなものではないことは十二分に承知しているはず(笑)。

久し振りの(「四川」のという意味において)タンタン麺が目の前に運ばれてくると、その色と香りに喉が鳴ります。やっぱりタンタン麺はここのでなくっちゃあ!いただきまーす、と口に運べば、うーん、やっぱりウマイ!この辛さといい旨さといい申し分なし。先日の「四川閣」も悪くはないけれど、この絶妙な刺激と旨さには敵いません。
左に座るwashiの様子を見ると・・・戦闘準備体制で上着を脱いでタンクトップ姿になっているにもかかわらず顔からは凄まじい量の汗、果たして純粋な汗なのか脂汗も混じっているのは定かではありませんが尋常な量ではなく、いかにこのタンタン麺から刺激を受けているのか一目瞭然です。さてさて初体験のミュトスさんの反応はどうかしらん、と右に視線を移してみると・・・え?!辛いという言葉を発することもなく素振りを見せることなくタンタン麺だけに淡々と食べているじゃあーりませんか!「これって後から辛さがくるんですか?」いや、多分そうじゃないかなぁ・・・でもその後も辛さを感じているような様子もなくペースが落ちることもなく食べてました。これには自分もビックリ、washiもビックリで「えー、あのぅ、辛くない?」と半ば呆気に取られつつ聞いてみると、「思っていたよりも辛くないですし、旨みがあっておいしいですよ」との返事で汁も含めて完食、しかも水を一切口にすることなく。なんと!これまで何人もこのお店に連れてきましたが、1回目でこともなく完食するのを見たのは今回が初めてです。いや、今後見ることは多分ないんじゃないかという気もします。世の中凄い人がいるものです、はい。
当然にwashiも関西人として意地を見せなきゃならないわけで丼に残った汁をぐーっと一気に飲み干しました。でもその飲み方すると上澄みの辛い部分が一気に口に入ってくるからレンゲで混ぜながら飲んだ方がいいんだけどね。そんな様子を見てお店のおばちゃんが「それじゃいじめだよー」と笑ってましたがいえいえこれは男の意地の見せ所だったのですよ。

大満足したところでそのまま近くのコメダ珈琲店に移動します。辛いものの後には甘いものを食べるに限ります。注文したのはコメダではお馴染みの「シロノワール」。クロワッサンに近い食感の生地にソフトクリームが乗り、その上にメープルシロップをかけて食べると言う実に甘々なメニューですが、これが暖かいパン生地と冷たいソフトクリームの味にシロップの味が加わっていい味を醸し出してくれるんです。辛さに満ちた胃袋に染み渡る甘さの醍醐味は普段食べるよりも3倍はおいしく感じられる・・・と思います。
落ち着いたところで次に向かったのは名古屋港にあるイタリア村。港だからイタリア村を作ろうという発想じゃないかと思いますが、名古屋ではそこそこのスポットとして親しまれています、多分。非常に狭いのでほとんど見るものはないんですけどね。ワインとかチーズとか雑貨を買う目的があると結構いいスポットになってくれます。その中に馬車に乗れるコーナーがあったので、面白そうなので乗ることにしました。ちなみに生まれてこの方馬車に乗るのは初めてです。大きな馬2頭に引かれた遊覧馬車、戻ってきてお客さんを下ろすやいなや私たちを乗せて次の歩きへと駆り出される馬の姿を見ると少々申し訳ない気がしなくもありません。馬だけに「オレたちなんで生まれて来たんだろう?」と悩んでいるとかいないとか。そんなことはさておき海辺を走る馬車は実にのどかで気持ちがいいです。カポカポと馬のひづめが奏でる音もいいんですよね。これで遠くまで旅行したら楽しいものになりそうです。10分程度の短い距離でしたが馬車の良さをしっかり味わわせてもらいました。
降りて馬を見るとやっぱり大きかったです。なお、馬を見るとついつい「でっかい犬だねー」と絶対に一部の人にしか通じないネタが頭の中をよぎりますが・・・分かる人だけ分かってくださいませませ。

イタリア村を後にして戻る道中、馬車はいいねーという話からマスクとゼッケンの付いた馬の話が好きなwashiはさておき、馬に乗るだけのためにモンゴルに行ったミュトスさんの話を聞いて驚き、さらには乗馬の免許まで取得しているということでライセンスカードを見せてもらってさらなる驚き。ちゃんとこういう免許が存在するんですね。なんでも友人には「車よりも先に馬の免許を取った人」と紹介されているようで、なるほどそれも1つの伝説と言えましょう。先ほどのタンタン麺の食べっぷりといいwashiの語る話といい数々の伝説をお持ちらしいです(笑)。
で、近くのミニ遊園地にマイナス30度の体験という建物があったのを思い出して向かったのですが残念ながらなくなってしまったようなので観覧車に乗っての港見物です。観覧車そのものは怖くはないんですけど、ふと「もし支柱がぽきっと折れて落ちたら助からないだろうな」と思った瞬間どうにもお尻がムズムズして落ち着かなくなってしまいました。アトラクションでの事故が起きているだけにいつ何時そういう目に遭うのか分かりませんから考え出すと怖いですよー。ジェットコースターも安全だと思えるからこそ安心して乗れるわけでいつ脱線するか分かりません、のような乗り物だったら多分乗れません。
1個1個が360度回転しながら回っていく観覧車があったら怖いでしょうね。

と遊んでいるうちに時間が迫ってきたのでボチボチ栄へと向かいます。本当はゆっくり遊びたいところですが、先日急にいとこの祖父が逝去したということで今晩通夜に行くことになってしまったためちょっとスケジュールが前倒しになってしまいました。オアシス21の水の回廊等を散策したところで・・・つくづく名古屋って見るものが少ないわけですが、少し早めの晩ご飯を食べに行きます。向かう先は名古屋に来たならコレ!ということでひつまぶしの「蓬莱軒」、かつて週末に2時間半ほど並ぶことになった店ですから、今日は平日といえど油断はなりません。また行列作っていたらどうしようと恐る恐るエスカレーターで登ってみると、時間的にもまだ早かったおかげかすっと入ることができたのは幸いでした。
いやー、ここも久し振りですけど、その味はまるで衰えることなく素晴らしいです。口に運ぶ一口一口が愛おしくてたまりません。ただタンタン麺とシロノワールに加え早めの晩ご飯でお腹が十分にこなれきっていないのが実に惜しかったです。しっかりお腹を空かせていれば旨さは何倍にも跳ね上がってくれたことでしょう。がっつり食べたのはいいんですけどお店を出る頃には食べ過ぎでお腹がはちきれそうになってました。それでも満足、満足♪

お腹と時間に余裕があれば近くの和茶屋であっさりとしたカキ氷でもつつきたかったのですが、残念ながらゆとりがなくそのまま地下鉄で金山駅に戻ることとなりました。ちょうどこの辺りからwashiの体にタンタン麺による変調が訪れたらしく、体内を駆け巡る波に翻弄され始めたようで、地下鉄に乗るころには顔に汗を浮かべながら気を紛らわせるべく体を動かしていたのが実に気の毒な光景でした(笑)。
そんな状態でミュトスさんが介抱者となりますので、最後は実に慌しい別れとなってしまったのが悔やまれます。
次回は名古屋名物の手羽先を肴にしつつ、ゆったりと過ごせるような1日にしようと思うのでまたゆっくりと名古屋に遊びにきてくださーい。今日1日のお付き合い、どうもありがとうございました!