アクロイド殺人事件

久しぶりに「これは面白ーい!」という本を読んだ。アガサ・クリスティ著「アクロイド殺人事件」。
先日新聞の書評を見ていて内容を教えられたら最も口惜しい推理小説としてこの本の名前が挙げらられていた。何がそんなに口惜しいのだろうと元来推理小説は好きなジャンルでもあるのでいそいそと本屋で買って興味津々に読み始める。外国小説は登場人物の名前とその位置づけを把握するまでがどうにも苦手で時間がかかってしまうものの、読み進めているうちに作者の術中にはまって文章を読むのがもどかしく、ページをめくるのももどかしいほどに先が気になってしまう。通勤時間の電車時間なんてあっという間。帰りの電車でも同じ。先が気になって気になって仕方がないので、夕食後に一段落したところで読み始めたらもう止まらない。「一体誰が犯人なんだ?」何か伏線が張り巡らされていることは分かるにしてもその意味するところが見当もつかない。2時間あまり没頭して連続して読み続け、そして結末を迎えた時には・・・書評に書かれていた意味が心の底から理解できた。これは1本取られたどころの騒ぎではない。読後しばらく、「うーん」だの「はぁー」だの「うはははは」だの思わず意味不明な感嘆が知らず知らずのうちに出てきてしまう。ちょっと井上ひさしの「四捨五入殺人事件」という昔読んだ小説を思い出してもみたり。
いやはや本当に久しぶりに読書の楽しさを堪能することとなった。この楽しさはやっぱりテレビや映画では味わえるものではないなぁ。何か面白い本はないか、と聞かれたら迷うことなく推薦できる本だ。あー、いいもの読ませていただきました♪21日に待望の本が届くまで時間があるからまた何か本を選んで読んでみることにしよう。