夜明け前 北斗七星 空に刺す

原付が壊れたおかげで、これまで駅まで5分で済んでいた距離を歩いていくことになったため、30分ほど早起きして5時に起きるようになりました。いつの間にやら日が昇るのが遅くなったようで、朝刊を取ろうと表に出てみると空は真っ暗、空にはみごとな北斗七星が垂直に立ってました。久し振りに懐かしいものを見た気がして、こういうことがあるとたまの早起きも悪くないもんだなぁと思います。
駅と自宅との往復に1時間近くかかるようになってしまいましたが、季節的に暑くもなく寒くもなく気持ちがいいので、お気に入りの音楽を聴きながらのんびり歩くのもいいものなので、災い転じて福と成す、と言えましょう。良い表現をするならポジティブ・シンキングですが、うがった見方をすれば単なる負け惜しみとも言えます(笑)。まぁ状況に応じて楽しみを見出せるのならば幸せなことだと思います、はい。

えー、先週金曜日に到着したPSP版ソフト「アンティフォナの聖歌姫」ですが、先ほどエンディングを迎えました。丸5日、約16時間なのでこれが長いか短いかはさておき、率直な感想をば。ある程度改行しますが伏字なしでいきますので、ご了承のほどを。

なんというか、非常にモヤモヤ感が残ってます。物語を階段に例えると、このソフト、一段一段がもの凄く大きい階段なんですね。だから一段上がると一気に話が進むので、前触れなく進行していく感があります。さらには意味ありげな会話や伏線があるものの、それに関する説明はなく、明らかにされないままに終わるので、「あれはどうなったの?」とか「なんでこうなったの?」と不明瞭な部分が残ってしまいます。おまけにキャラクターの素性や行動が不明で、それも不明のままなので、釈然としないんですね。その世界における謎は示された内容から推測していく、というのは探偵局でもお馴染みのとおり、常々行っているんですけど、推測する材料がまったくなくてはさすがにお手上げです。
全体的なお話としては絶対的な悪が存在しないおかげで、非常に爽やかなハッピーエンドを迎えることができるので、こういう雰囲気は大好きです。だからこそ、もっと細かく話を描いてくれれば十二分に楽しめるのになぁと悔やまれるソフトでした。

システム的には、会話が全部フルボイスという、豪華な作りになってますが、町人全員の会話がフルボイスだと話を聞いて回るのに時間がかかってしょうがないです。さすがにそこまでする必要はないんじゃないのかなぁと。その分容量をシナリオに回すとか云々かんぬん・・・。
戦闘も一般的なものとは異なり、行動のみを指示するだけで、後は敵味方入り乱れて殴りあうという独特のシステム。見た目は微笑ましいですが、きちんとレベルを上げて戦い方を考えないと運の要素も多分にあるので結構難儀させられます。レベルが上がっても体力が増えるわけではなく、アクセサリーやスキルを付ける必要のあるのも少々ややこしいところ。魔法も休憩すれば回復するというものではなく、購入するか街中に隠れている「想いのかけら」を集めて回復させる必要があるため、なかなか気軽に使えません。さらには戦闘で入手したアイテムを売ることでお金が手に入るようになっているので、常に金欠状態が続くという非常にやっかいな状況に陥ります。
この点の煩雑さが、物語を進めて堪能する阻害要因になってしまっているのがやはりもどかしいところです。2週目はレベルをそのまま引き継げるようになっているので大丈夫なんでしょうけれど。

・・・などと結構辛口な感想になってしまいましたが、悪くはないんです。ただ、迷うことなく人に薦められるかというと、残念ながら。まさか2週目で隠された謎がすべて明らかになる・・・ということはないと思いますが、それでも今度はシステム的な要素にとらわれることなく、もう一度やってみようという気にはさせられてます。
もっとも2週目には「どこでもいっしょ」のトロとクロが登場するようで、全然接点のない世界をお遊びのためにコラボレーションするという個人的には非常に嫌っている要素があるのでその辺が少々気がかりなところだったりもします。

でも2週目を進めようと思っている辺りは、結構気に入っている部分があるのかもしれません。