ゲド戦記 全席満員 さていかに

ということで今日から公開の始まった「ゲド戦記」を観に行ってきたわけですが、初日のレイトショーということもあってまさに満観全席、久し振りに前から4列目という首が窮屈な座席で観ることとなりました。席がこれだけ埋まっているのは極めて珍しいケース、それだけ話題になっていることの表れではあるものの、話題になる=面白い、とは限りません。前作「ハウルの動く城」は個人的にはなんとも首を傾げる内容だっただけに果たして今作はいかほどのものなのか大いに気になるところでもあります。さてさてその感想は・・・(内容に関する部分伏字にしてます)。

えー、タイトルが「ゲド戦記」となっていますが、 実質的には「ゲド戦記」になっていません 。だって大賢人ゲドが 活躍する場面はほとんどないんです から。
膨大な原作を2時間に収める関係上お話的にも登場人物的にも 説明不足・掘下げ不足な感が否めず、観ていてもどうしてそうなるのか分からない部分や感情移入できないところがあって、今ひとつ観入ることができません でした。内容については「ハウルの動く城」ほど分かりにくくはないものの、最初の大きな伏線が ほったらかしのままで終わってしまうので消化不良な感じが残ってしまい ます。原作を読んであらかじめ世界設定等を掴んだ上で観ることを要求される映画なのか、その割には原作のエピソードをあちこちつないだ原作とは別の物語になっていたりと、なんとも判断のつきかねる内容です。
映像的にもジブリ作品の透明感のある雰囲気がなく、絵柄こそこれまでのジブリ作品を踏襲してはいるものの、空気感が違うなぁという印象を受けました。
テーマとして語られている「限りあるからこその命の大切さ」についても セリフで語られるのみで、そこに至るまでの世界・人物の描写が伴っていないので、説得力に欠けるきらいが あります。
んー、何か悪いことばかり書いていますが、単体の作品としてとらえればそれなりに楽しめるものであるかもしれません。ただ前回のハウルに引き続いてのこの内容となると、原作に引きずられてしまったのかなぁという気がしてなりません。
もしジブリ作品というだけで興行収入が上がるような状況であったとしたらちょっと悲しいものがあります。

さて、後日観る予定の「ブレイブストーリー」はいかに?!