トランスフォーマー

未だに映像で驚かされることになろうとは夢にも思いませんでした。アニメと実写が融合したと言うべきか、アニメを実写で表現できるようになったと言うべきか、まさしくリアル・アニメーションを観ているような感じで、ひたすら驚嘆するばかり!
トランスフォーマーと言えばテレビアニメ、場面が切り替わるたびにサイバトロンのマークがアップになるのが妙に印象的に記憶に残ってます。内容はほとんど覚えてないんですけどね。もちろんアニメを知らなくても、この映画だけで十二分に楽しめます。

とにかく映像が凄い!の一言に尽きます。映像がきれいなだけではなく、存在感と言うか重量感がすさまじいです。重量級のロボットがガコンガコンと姿を変えるさまは観るたびに口をポカーンと開けてました。隣に座っていた人も驚いたような信じられないようなものを見た顔つきしてました(笑)。リアルですよー、素晴らしくリアル。映画を観終えて駐車場に出た時には本当に変形する車があるんじゃないかと錯覚してしまうほどです。
しかも機械生命体ということで単なるロボットではなく人間と同様の意思感情を持ったロボットですから、図体はでかくても立ち居振る舞いが非常に人間くさいのがユニーク極まりないです。目鼻口はあるものの喜怒哀楽の表情を見て取ることはできませんが、無表情な分人間くささに親近感を覚えます。そりゃあ家の庭で右往左往している様子はみんな大笑いしてました。
前半は人間社会に潜むオートボットの脅威や世界(といってもアメリカ)が混乱する様子、オートボットと主人公との遭遇などなど情緒的にユーモアを交えつつ描かれていますが、これが後半になると一気に様変わりして、完全なロボット戦闘アクション映画になります。
もう街中を飛び回って走り回ってビルをなぎ倒しながら車を踏みつけながら地上から空中から激しく打ち合って殴り合うという迫力満点なバトルがこれでもか!というほどに繰り広げられるので息付く暇がありません。これまたただただひたすら口をポカーンと開けて眺めることになってしまったわけです。

そんなわけで映画の前半と後半とでは大いに趣きが異なり、後半はもうロボットアニメとほとんど変わりがないと言っても過言ではありませんから、SF映画や空想的なものが好きでない人にとっては「なんじゃこりゃ」と思ってしまうでしょう。実際、後半は実写の姿をしたアニメの亜種を観ているような感じでアニメの中に実写の人間と背景が入り込んでいるようなアンバランスな雰囲気が漂ってました。

・・・が、それでも私は大いに楽しんできました。やっぱり変形ロボットは男の夢とロマンですから(笑)。この映画に触発されてロボット工学を志す子供たちがいても不思議ではありません。いや、この映画はいい意味でトラウマになるんじゃないかと思います。

それはさておき、「レミーのおいしいレストラン」が行きつけの映画館では吹き替え版のみしか上映しておらず・・・ふー。