アフリカツイン ~セカンドインプレッションと装備イロイロ編

セカンドインプレッション

1,000キロ走った時点でオイルとエレメント交換します、というので手っ取り早く走行距離の伸ばしておくべく、紀伊半島を一周して大阪に向かうというコース約800キロを11時間ほどかけて走ってきました。それだけ走っても全く疲労感を感じることもなく、まだまだ乗れそうと思ってしまうあたり、長距離を走るのに最適のモデルと言えましょう。翌日も筋肉痛で体の節々が痛むこともなく、本当にツーリングが楽なバイクだと思います。

一般道でも高速でも自然に切り替わってくれるDCTにストレスを感じることはなく、クルーズコントロールもボタンが押しやすいところにあるとは言えないものの、一定速度で巡行するには非常に便利な機能です。スクリーンで風圧が抑えられるのと相まって、高速道路では時折眠気を感じてしまうほどの快適さと楽さでありました。

その一方、交差点や信号で止まる時や急ブレーキをかける時、MT車だと止まる前にギヤをニュートラルに落としたりクラッチを切ってタイヤへの動力を完全にカットできていたところ、DCTだとブレーキを握る時に気を付けないと親指と人差し指の付け根でアクセルが思いも寄らずに回り、車体が前に動いてヒヤヒヤする場面もありました。

バイクに乗ってからブレーキはずっと4本指で握ってましたが、2本指にしてブレーキレバーを握ると言うよりは手前に引き寄せる感覚で操作するといいよ、というアドバイスに従ってみたところ、アクセルに不意に回転を加えることなく前輪ブレーキをかけられるようになったので停止時のブレーキのヒヤヒヤ感はなくなったので、何事も改善の余地はあるものだと痛感しました。

積載量のアップ

パニアケースとトップケースを取り付けたおかげで積載力が一気にアップです。パニアケースの左右の出っ張りを同じにするために左は48ℓ、右は37ℓのサイズにしました。両方とも同じサイズにするか迷ったんですけど、見た目のバランス的にこれでよかったと思います。写真では見えないですが、左側にはGIVIのツールボックスS250も取り付けてあります。

トップケースも大は小を兼ねるで58ℓサイズとなっているのでツーリングキャンプの時に活躍するのは間違いないです。カタログを見る限り、トップケースはケース本体の重量を除いて6キロまでは積めるのだとか。

パニアにしてもトップにしても、ホンダのオプションの純正ケース(といってもGIVI製ですが)だと容量が小さくなるので汎用品にしました。欧州のバイクパーツ販売店で購入(個人輸入)すれば価格を相当抑えられるのも非常に魅力的です。自分が購入した欧州のサイトでは左右別々のサイズを選ぶことができ、シリンダーも左右で共通化してくれる上にトップケースのシリンダーまで同梱されていたおかげで鍵は1本にまとめることができました(後からツールボックスを追加したため、結局はシリンダー5本分の交換キットを購入することになりました)。

なお、取り付けステーとしては、サイドケースにはGIVIのPLO1178CAM、トップケースにはSR1178を使っています。Daytonaのカタログには2020年モデルとしか記載されていませんが2022年モデルでも全く問題なく取り付けられます。

ベースに付いてたゴム足4本を外した状態の図

トップケースのベースはGIVIのM9ベース。GIVIのトップケースには交換用のゴム足が入っていて、「ケースのガタ付きを抑えるため、ゴム足はベースに付属のものと必ず交換すること」なんて書かれていたので、ベースのゴム足を引っこ抜いて交換したら厚みがありすぎてにベースにケースがはまりません。ケースの底の内側と外側から両手でぎゅっと挟むようにしてもダメ、上から体重を掛けて押さえてもダメで、固定するのにこんなに苦労するものなんだろうかと調べてみたら、M9ベースでは交換する必要がないことが判明しました。後日ゴム足を取り寄せして付け直したらあっさりはまったので、何事もよく調べるのが肝心ですね。

このほかにも、各パニアケースの上部に付ける20ℓのバッグ、シートバッグ、エンジンガードの左右に付けるバッグもあり、合計すると230ℓ以上の積載容量となるので、ほとんどのキャンプには事足りるでしょう。全容量を乗せるとどうなるのかやってみないと分かりませんが、ESの設定でパニアモードがあるので何とかなるはずです、多分。

地味なパーツではありますが

サイドスタンドに下駄を履かせました。サイドスタンド使用時の傾斜が緩和されるので車体の引き起こしが楽になります。シートを83センチ高にしてやや左下がりの路面にバイクを停めた時、またがってから車体を起こすのにノーマル状態で結構難儀しました。アフリカツインだとサイドスタンドをはらった状態で右足を振り上げてまたがると転倒する可能性大ですし。

このパーツを付けるだけでもかなり違います。これなら路面が多少左下がりであったとしても不安なくサイドスタンドを下ろすことができます。

Apple CarPlayとAndroid Auto

アフリカツインでは、USBで有線接続を接続することでApple CarPlayかAndroid Autoの機能を使えるようになっています。Apple CarPlayはiPhone一択なので問題ありませんが、Android Autoについては機種の相性が多分にあるようで、これまでスマホナビとして使っていた中華スマホ(UMIDIGIのBISON GT)をつないでも認識してくれませんでした。ケーブルが悪いのかと思って何本か試してみましたが、なんとか認識はしたものの接続と切断が常時繰り返されるような状態で何ともなりません。

その一方、iPhoneXを繋いだらあっさりとApple CarPlayが起動しました。ただ、接続には短い方が邪魔にならなくていいだろうと用意しておいたApple認証のサードパーティのケーブルでもダメでしたから、iPhoneでもケーブルの相性はあるようです。

そのままであればApple CarPlayを使い続けたんですけど、紀伊半島周遊のロングツーリング中に思いも寄らず問題が発生しました。Apple CarPlayが不定期に落ちてしまい、音楽の再生やナビの案内が中断されてしまうんです。電波の受信状況が悪くなると落ちるのかと思いきやそうでもなく、何か特定の操作がトリガーになっているわけでもなく、走っているとディスプレイの地図表示が消えてメーター画面に戻って音声も途切れる、しばらくすると勝手に再接続されてナビと音楽再生が復活する、という状況です。落ちた時点でケーブルを抜き差しすればすぐに戻るとは言え、何度も走行中にやるわけにもいきません。

音楽の再生はiPhone標準のアプリ、ナビにはカーナビタイムを使っていたのでグーグルマップならどうだろう?と切り替えてみたものの、状況は変わりませんでした。カーナビタイムは一度落ちても再接続されれば自動的にナビが再開されますが、グーグルマップだと目的地をまた設定しないとナビは機能せず、再接続後のアプリの挙動に違いが見られました。バックグラウンドで動いているアプリもないんですけどね。iPhoneXのメモリは3ギガと最新のスペックからは劣るので最新機種でもこうした現象が起きるかどうかは分からないです。

結局、いつ落ちるか分からないApple CarPlayを使い続けるのも不安なので、Android Autoを使える機種を用意してそちらを試してみることに。グーグル純正の機種なら問題なく動いてくれるだろうと選んだのがPixel5a。これで認識しなかったら泣くところでしたが流石にバッチリで、ケーブルの相性問題もありませんでした。

Apple CarPlayとAndroid Autoは機能的に大きくかわるものではなく、できることに違いはないものの、画面のレイアウトや操作感が若干異なります。タスクバーの位置はCarPlayだと画面の左側、Android Autoでは下側になるほか、ハンドル左側の操作キーを押した時のカーソルの動き方も同じではありません。慣れの問題というか、どちらの方もキーだけで操作するにはややこしくて直接タッチパネルを触った方が早いです。

じゃあ、Apple CarPlayとAndroid Autoの両方を選べる環境ならどちらを選ぶ?と問われれば、現段階ならAndroid Autoを選びます。ものすごーく細かい違いでしかないんですけど、Android Autoだとナビの表示中でも曲が変わる時に次の曲のタイトルがタスクバーに数秒表示されるんですよね。地味ではありますが個人的には嬉しい機能です(笑

動画で見るとこんな感じ。「次はこの曲なんだ」とちょっぴり嬉しくなるひと時