愛犬てんの振る舞いに疑問符

洗面所で朝の身支度をしていると、てんが何やらいつもとは違う低い声で吠えているので、何事かと思い様子を見ると、何やら身を固くして緊張したような雰囲気が漂っている。「遊んでくれー、かまってくれー」との催促ではないらしい。しかし原因が分からないので、また洗面所に戻って支度の続きをしていると、またも同じ声。一体何がどうしたんだろうなぁと、よくよく視線の先と、吠える方向を観察してみたところ・・・

これだー!段ボール箱に入っていたただの緩衝材だけど、どうやらこれが見慣れない怪しいものに見えたようで、警戒して吠えていたようだ。試しにこれを手に持っててんの顔に近付けたところ、飛び跳ねるように向きを変えて必死になって逃げてゆく。あまりに面白いので後ろから盾のように構えて追いかけてゆくと、普段は見せない俊敏さで走る、走る。これじゃとても番犬にはなるまい。
もっとも帰宅する頃にはすっかり慣れてしまったらしく、何の興味も示さなくなっていた。かつて庭に犬の置物を置いたときも、これに向かってずっと吠え続けていたというのだから、警戒心が強いことは間違いないのだろうけれども・・・バカだ。

そんなてんではあるものの、時折世界中の悩みと憂いを凝縮させたような表情をする時がある。

どんな時にこんな切ない表情をするのか?散歩中に草むらですることと言えば・・・1つ。腰をかがめて表情を観察しようとすると、実に迷惑そうな表情を浮かべる愛犬てんなのであった。
でも、散歩中のそのひと時の表情だけを集めた写真集を作ったら、それはそれで非常にいい味があるものに仕上がりそう。ウェブでも構わないので、どこかで企画してくれないかしらん?

・・・などとロクなことを思いつきやしない思考回路な週末の夜。