安請け合い 予期せぬ事態に 四苦八苦

パソコンの調子が悪くなってしまった時には、必要なデータさえバックアップしておけば再セットアップするのが一番手っ取り早い。アプリケーションを再インストールしなくちゃいけない手間はあるけど、いつフリーズを起こすか分からないような状態で作業をすることを考えれば精神衛生上にも非常によい。

そんなわけで、「悪いけど、パソコンの調子が前からおかしいんだけど見てくれる?」と頼まれたので「そんじゃ、いっそのこと再セットアップしましょう」と安請け合い。バックアップCDから起動すれば後はほっておけばよいのだから楽なものだ。もちろん初期状態に戻した後、元の環境に戻すのは持ち主であることは言うまでもない。

「そんじゃバックアップCD出してください」
「はい」

・・・Windows95?!うーん、なんか懐かしいというか久し振りというか珍しいというか意外だ。もっともワードやエクセルを使うだけならそんなに困るものでもない。ただメモリが32メガしか積んでいないのはちょっと厳しそう。
ところがCDからブート起動しようにも、BIOS画面にそのような設定はなく、ハードディスクかフロッピーのどちらかのみ。先にフロッピーでDOSを起動しておく必要があるわけだ。それならメーカーから再セットアップ用の起動ディスクを使えばいいだけのこと。

「それじゃ、再セットアップ用の起動ディスクがあるはずなので、それも出してください」
「え、そんなのあるの?!」

その反応にイヤな予感を感じていたら、案の定失くしてしまったらしい。これじゃあ簡単にできる作業ではないので一時中断。仕事が済んで、みんなさぁ帰ろうという頃から再び開始。久し振りのことで昔の記憶を掘り起こしながら随分四苦八苦して起動ディスクを作る。DOSは起動してもCDを読み込んでくれないのに頭を抱え、試行錯誤しながら、なんとか無事にWindowsのセットアップが完了する。おかげでフリーズするようなこともないし、電源を切るのに強制的に電源ボタンを押す必要もなくなった。

頼まれたからには最後まで面倒を見なくちゃ男がすたる!・・・とは言うものの、深く考えずに安請け合いすると予想外の状況に苦労させられることもあるのだと、改めて実感させられた。
とはいえ、今までもこうして四苦八苦してきたからこそ、イロイロ経験を積んでスキルアップを果たせたのだから、こういう苦労は決して悪いものじゃない。