ザ・クラッシュ!

今日は8月11日の1ヶ月と1日前。8月12日の夏コミに向かうための深夜高速バスチケット予約取り扱い開始の日である。例年つながらない電話を何度もかけつづけてようやく予約を取り付ける、という綱渡りな状況だったので、今回は直接名古屋駅の窓口まで買いに行くこととした。そして・・・この決定が後に悲惨なハプニングを引き起こすことになってしまう。

地面はまだ濡れているものの、空は曇り空で薄日が差している位だから雨の心配はない。いつもの駅までの道のりを、いつものスクーターに乗って、いつものように走ってゆく。坂を下りきり、駅までの最後の直線へと通じるいつもの交差点にさしかかる。ここは信号のない十字路で道なりに直角に左カーブしている道が直進路線となるので非常にややこしく常に注意を要する。交差点対向車よし、右からの車両なし、カーブ先の対向車線車両なし、歩行者なし、交差点に近付きつつも要所要所のポイントをチェックする。よし、後はいつものように左カーブを抜ければ駅はもうすぐだ。

カーブに入りスムーズに曲がれるよう重心を左にずらす。そして車体の傾きが最大限に達した瞬間、急にタイヤのグリップがなくなり横滑りを始めたのに気付く。危ない!転倒は覚悟したけれども、なんとか回避する策はないものか。コンマ何秒かの間に目まぐるしく思考が走り回り、咄嗟に左足を出して道路を蹴り上げる。なんとか傾きを戻してグリップ力を回復できるか?!しかし車体の傾きと横滑りの勢いは既に覆すことはできず、左足が地面にグリップしたまま車体が右にスライドしていくというますます悪い状況になってしまった。もはや打つ手はない。被害を最小限に抑えるべく両手をハンドルから離してバイクだけを横滑りさせ、体は左ひじひざを路面にひきずりながら転がることなく横スライディングの姿勢で止まった。何がどうなったのかは完全に把握していたので、すぐに立ち上がって転倒したスクーターを立てかけ、引き続き破損箇所の点検と、体の負傷箇所、服の破損確認。

とにもかくにもスクーターのエンジンがかかるかどうかが最大の懸念。壊れでもしたらまた面倒くさいことになってしまう。しかし無情にもどれだけキックペダルを蹴ったところでエンジンはうんともすんとも言わない。おおかた転倒してエンジンが止まってしまったため、燃焼していないガソリンのためにエンジン内のガス濃度が濃くなってかからなくなってしまったのだろう。

怪我は、左ひじに豪快な擦り傷、左ひざにもズボンが擦れるような感じがするから間違いなくここも擦りむいているはず。ジーンズに穴あき少々。さすがジーンズ生地だけあってかつての背広のように大きな穴が開いて再起不能になるようなことはない。なぜか不思議なことに衣類の破損はそれだけで、上着・靴についてはまるでダメージがない。腕時計や肩掛けポーチに入れておいたiPodも大丈夫。我ながら・・・いいこけ方した?
こんな状況においてすら「あー、これでまた日記のネタが・・・」などとのん気に考えていたところがコトの非重大性を如実に物語る。

結局すぐにはエンジンが始動せず、電車の発車時刻も迫ってきていたのでそのまま手で押して、駅までの道のりを急ぐ。幸いお目当ての電車には間に合った。電車の中で改めて左ひじの怪我をよく見ると、決して血がだらだら出てくるようなものではなく、ジワジワと染み出てくるような感じだったので、なんとか一安心。もっとも怪我に気付いた人がいたら、「あの人は何をしてきたんだろう?」と疑問に思ったに違いない。

さて、高速バス取り扱い窓口に行くと、あまり人の気配がない。あれ?もしかして電話予約が混むだけで窓口はそうでもないとか?ところが張り紙を見ると11日分の予約は別窓口にて扱っているとのことらしい。ははぁ、やはり例年コミケ行きの予約で混雑するからちゃんとそういう措置を取っているのか。隣のカウンターに行って予約をお願いすると、

「それでは10時になったら順にお呼びしますので、外でお待ちください。番号は28番になります」

・・・なぬ?時計は午前9時50分、外に出てよくよく周囲を観察してみると・・・空気が濃い。なるほどみんな受け付け済ませて外で呼ばれるのを待っていたわけね。無事に予約が終わったところで、薬局で大きめの絆創膏を買い、傷口を塞いだところで帰途につく。電車の中で座っているうちに左ひざの擦り傷がジーンズとくっついてしまって剥がすのに一苦労・・・とほほ。

スクーターのエンジンはかかるだろうか?ハラハラドキドキしながらキックペダルを踏むと・・・ブゥーン!と快調にエンジンの回る音。おぉ、助かったー!やっぱり一時的に濃度が濃くなっていただけなんだなぁ。やれやれ。そこで軽くアクセルをひねったところ、ガコン!慌てて音のした方に目を向けると、エンジンかけるのに気を取られてしまったがために、外すのを忘れていた後輪のロックが、アクセルひねった勢いでタイヤの回転に巻き込まれてタイヤカバーの奥に食い込んでいこうとしているではないか!幸い軽い程度だったので、少々強く引っ張り出したところで事無きを得る。あー、なんか今日は日が悪いのかもしれない。

当然家に帰れば、「あんた一体そのひじどうしたん?」と親から聞かれることとなり、状況をありのままに説明する。まぁ擦り傷だけで済んだのが何よりの幸いということで笑い話で終わる。「自転車で転ぶわ、スクーターで転ぶわ、気ぃつけんとそのうち事故で大怪我するで?」・・・ごもっとも。それをよく胸に刻み込んでおかなくてはなるまい。
その後薬局に行ってパウダー式消毒スプレーに染み抜き用洗剤を購入。少々ジーンズや服に血痕ができてしまったので、早いうちに洗い流しておかなくては後が大変だ。
どうやら転倒直前に左足で踏ん張ったせいか、少々左足首に疼痛あり、いやだなぁ。

それにしても前の自転車前輪フルロックによる転倒が4月8日だったから約3ヵ月後に今回の転倒。どーにも今年はそういう傾向にあるのかもしれない。もっとも今日の事故は湿った路面とちょっぴり カーブを攻めすぎたのが原因だったりして (汗
ロッソマンデロ乗っている時の転倒でなく、怪我も大したことなくてよかったなぁ。本当にこれから気をつけなくては!


あるべき走行経路の図


誤った走行経路の図