ふもとっぱらクライシス

朝の富士山

ふもとっぱらまで2回目のソロキャンツーに行ってきました。結果としては楽しかったんですけど、自然の凄さとキャンプの大変さを味わうことになったというクライシス感があって、ある意味貴重な経験だったと言えましょう。それを踏まえて楽しい、と感じられるのって凄くいいことなんじゃないかと思います。

出発の前日は夕方から天気が悪くなって竜巻注意報が出る、夜に雨がようやく上がったと思いきや、翌明け方にまた降って晴れ間が出てくるといった具合になんだか大気が不安定な状況ではありました。それでもバイクにまたがって現地を目指す頃には風が多少強いことを除けば気持ちのいい青空で絶好のツーリング日和でした。

新東名で新富士ICまで

高速道路からも、頭に雲はかかっていましたが富士山がキレイに見えていやが上にも期待は高まります。高速は渋滞なくスムーズに流れていたので予定よりも早く到着できるかなと思っていましたが、新富士インターを下りたらしっかり渋滞してました。それでも完全に動かないほどの渋滞ではなく、進んでいるうちに自然解消され、少し進んだらまたプチ渋滞といった感じで、長い時間立往生するほどのものではなかったのが幸いでした。当初の到着予定時刻より30分ほど遅れた程度。

キャンプ場に着いてみると見事なまでの砂利道。パニアケースとリアバッグに相当なキャンプ道具を積んだネイキッドバイクにとってはなかなか厳しいものがあります。少なくとも急ハンドルとか急ブレーキをかけようものなら確実にすっ転びます。砂利道を走り慣れていないということもあって、しばらく走っているうちにヒヤヒヤ感はなくなりましたが。

キャンプ場内の動線。砂利がジャリジャリ。

正午過ぎの到着となると結構テントの設置が進んでいるようで場所がなかなか見つかりませんでしたが、奥の方まで行くと富士山がきれいに見えて周りも空いている場所があったので拠点の設置開始です。

日中はすこぶる快晴

前回の志摩半島と違って風が強く、突発的な強風もあるので飛んでいかないようペグで固定しながらの作業となりました。とにかく風でバタついているうちに張り紐が絡まりに絡まって、苦労してほどいたと思ったら、ほどいた部分が風にあおられて再び絡んでやり直しという、もどかしいことこの上ない作業となったので、次回までに張り紐の絡まり対策を考えておかなければなりません。それでも初回に比べれば手慣れたものなので、すんなり設置は終わりました。

こちらのコンビニは薪売ってます

設置が終われば買い出し!ということで、近場にある朝霧高原の道の駅まで。あんかけスパ用のベーコンとハム、地ビールにお土産の地酒、朝食のホットケーキ用の牛乳と卵などなど気付いたら結構な荷物になりました。キャンプ場内の売店でもワインと薪と氷とゴミ袋を購入したところでご飯の支度開始です。

いわゆる浜松餃子

黙々と食材を刻んでいてもつまらない、ということで途中のサービスエリアで買った浜松餃子を焼きながらビールを飲みながらのクッキングタイム・・・だったんですけど、餃子の数が多すぎました。小ぶりかと思ったら結構大きめの餃子が28個、皮も餡も焼きあが頃にはふっくら仕上がっていて、美味しくてビールが進むのは間違いなかったんですけど、あんかけスパが出来上がる頃にはかなりの満腹状態です。それでもあんかけスパもなかなかのお味だったので美味しくいただけたわけですが。

とはいえ焚き火で餃子を焼きながら食材を切って、飲み食いしながらパスタを茹でて具材を炒めるというのはことのほか忙しく、きちんと写真を撮れなかったのが悔やまれます。せっかくのキャンプなんだからとあんまりよくばってあれもこれもやろうとするのも考えものですね。あわよくばポトフも作ろうかと思って準備してましたが無理でした。というか、衝動買いした餃子が明らかに余分だったです、はい。

辺りはすっかり暗くなって気温も下がり、風も出てきたところ、雲が多めで星空は楽しめそうになく、夜勤明けで疲れているところでもあるので今日のところは早めに寝ておこうかと寝支度をしていたところ、ふっと焚き火前のチェアを離れてテント内からモバイルバッテリーを取り出して戻ってみたら何か焚き火から妙に炎が。ん?とよくよく見ると風に煽られたチェアが焚き火の上に倒れて見事に座面のシートが燃えているところでした。ホントに焚き火から目を離す時は細心の注意を払わなければダメという教訓です。後日、モンベルに問い合わせたらヘリノックスのチェアのシートのみを購入することは可能でお値段4,400円。チェアを買い直すことを思えばべらぼうな金額ではないものの、授業料だと思うことにします。モンベルのオンラインショップで購入すると、こうしたいざという時に手配がスムーズになるのかもしれません。

焚き火台とシートの片づけは明るくなってからにしようと焚き火を完全に落としたところでシュラフに丸まってお休みなさい、こうしてふもとっぱらキャンプでの1日は無事に終わったのでありました・・・だったらよかったんですけどね。ここからが長い夜の始まりでした。

寝たのか寝てないのかよく分からない状況で夜中に目が覚めるとテントの外が暴風状態。打ち付けるような強風がテントの側面にあたってコットの上の自分の体をグイグイと強く横に押し、テントのフレームも相当たわんで横に流れています。おまけにバラバラと激しく雨が叩きつけるような音までしている始末。でも天気予報を見ても雨マークはなく、風速の表示もさほどではなく注意報もなし。意を決して外を見てもとりあえず雨は降ってませんでした。

真夜中のテント内の音。ボリュームを上げて聞くと凄さとうるささが分かります。

それでもあまりの横殴りの風で、自分がテントから出たら重みがなくなってテントが吹き飛ばされるんじゃないかという心配もあり、ひとまず風が収まるのを待ってコットの上でじっとしているほかありません。気温も少しずつ下がってきて、ネックウォーマーを巻いてシュラフをぴったり閉じていないと寒く感じるほど。ようやく風が静かになったなぁと期待すれば、またビュービューゴーゴー打ち付けるような強風が吹く、の繰り返しだったので徹夜も辞さない覚悟で臨んでいたら、いつの間にやら寝落ちておかしな夢を見て、朝を迎えていました。

人間ってどんな環境でも寝られるものだなぁと我ながらに感心しながら朝の支度をしていると日が昇って富士山もキレイに見えます。昨日の真夜中の天気は何だったんだと思うほどに清々しいです。

雲がなければキレイな日の出が見られたでしょう

早朝のうちは少し風が強くて肌寒くはあったものの、太陽が昇りきるころには過ごしやすい状態になり、朝ごはんのホットケーキを焼き、残った卵とベーコンとハムも全部焼いて片づけ、コーヒーを飲んで落ち着いた頃合いに撤収開始です。昨晩出しっぱなしにした焚き火台とマットは見事に風で吹き飛ばされていたものの、根気よく探していたら部品が全部見つかったのが何よりでした。タープだけは先に倒しておいたので無事でしたが、それでも多少ポールが曲がっていたので、倒すまでに相当の風を受け止めていたのでしょう。

この日の夜の天気はどうなったことやら

強風に翻弄されてしっかり寝られない一夜にはなってしまったものの、こうした状況もなかなか味わえないだろうと思えばいい経験になったと思います。昨晩の様子をツイッターで検索してみたら、皆さん同じように大変な思いをしていたようですね。それでも次のキャンプが楽しみになっているあたり、ツーリングキャンプの魅力の虜になりつつあるのは間違いありません。

キャンプ場を後にして途中の銭湯で体をほぐして英気を養い、横風と眠気と戦いつつ、夕方前には無事に帰宅したところで今回のキャンプは終わりを迎えたのでありました。帰宅後しばらくはくしゃみが止まらなくて大変でしたが、熱いお風呂&改源のコンボのおかげで翌朝にはスッキリ。