ツタヤから届いたもう1本のDVD「ユナイテッド93」を観ました。9,11テロで乗っ取られた4機の航空機のうち、目標に到達することなく墜落した機内の攻防を描いた映画というよりはドキュメンタリー的な作品です。
映画の中でイスラム教徒のテロリストが登場しますが、「不気味でわからない異教徒」の姿ではなく、あくまでキリスト教同様に宗教に殉じる、テロを決行する前に愛する者に電話をかける若者4名の姿なんですよね。テロリストを非難するわけでなく、果敢に戦った乗客を英雄視するわけでなく、中立の視点でありのままに起きたことを描いてました。これ、韓国映画の中の米軍の扱いのようにイスラム教徒を描いていたらとんでもないことになっていたと思います。
事実を再現した内容だけに、結末が分かっているだけにひたすら緊張が続きます。予期せぬことが発生して対応できない管制塔と航空局、軍の混乱ぶりも決して絵空事ではないだけにひとごとではありません。訓練はあくまで訓練です。どれほど訓練を重ねたところで、訓練の想定外の事態が発生すればたちまち混乱してしまうことになるでしょう。想定訓練に限定されない本物の危機管理意識を、個人として組織としてどれだけ構築できるのか、決して無縁ではないだけに強く痛感させられます。現場からの情報が得られず混乱する指揮系統の姿はあまりにリアル過ぎました。
ラストは、あまりにも衝撃的です。その分余計に心に残ります。そしてその後に示される文字の内容こそが9.11テロが浮き彫りにした危機管理問題の本質なのでしょう。
もはや自分は助からないと思った時、やはり最も愛する者に別れを告げるものなのですね。
