ようやくの「あの花」の感想

それでは「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない」について思うところを。
放映は2011年の4~6月だったので、なんで今頃になって観たのか、ということもあるんですけど、存在自体はもう少し前から知ってはいたんですよね。
2011年の10月に「とらドラ!」の原作を読んでアニメを観るようになると、アニメを担当した同じ監督&脚本、ということで目に入ってきましから、昔亡くなった女の子が幽霊になって現れるお話、程度のこととか、めんまとかあなるというあだ名の人物が出てくること位はなんとなく頭の片隅には入ってましたが、そして何よりも、その年の冬コミの恒例の席で、脚本家の方と知り合いでアニメに出てくる架空のゲームのモンスターのデザインをやりました、なんて話を聞いたのが決定的なものとなりました。後でそれが「のけぞりモンスター」ってのが分かったんですけどね、やっぱりイラストはいつもの雰囲気を醸し出していたので、なるほど!と大いに納得ができたんですけど、それはさておき。
それでも今回観るまでに1年半以上が過ぎていたわけですが、メインの理由は踏ん切りがつかなかったというか、観る度胸がなかったというか。小学生の時に仲良しだったグループが、その中の女の子の死が原因でバラバラになって、高校生になった主人公のところに、ある日その女の子が幽霊となって現れた、ここまでしか内容は把握していなかったものの、やっぱり最後は悲しい別れが待ち受けているんだろうなという予感はあったんですよね。多分、観終わったら間違いなく相当凹むことになりかねないだろうということも。
だから観てみようかな、興味がありながらもなかなか勇気が出なかったんですけど、夏には劇場後悔されるらしい、なんて話をツイッターで見たことに加えて、海外ドラマの「フリンジ」のファイナルシーズンを借りる際にウェブサイトで手続きしてると、トップページにオススメの作品、ということで「あの花」が表示されたのを見て、背中を押された気持ちになったというわけです。

そんなわけで、気持ち的に落ち込むだろうことは覚悟しながら観始めたわけですが、1話目からもう相当きつかったです、めんまが自分の家で母親の呼びかけに「知ってるよ」って答えた時が。しょっぱらこんなんで大丈夫だろうかと思いましたが、内容が内容なだけに明るい見た目の絵柄や雰囲気に反して、物語の内容は相当にヘビーです。
当時仲良しだったメンバーがバラバラになって色んな心の傷や葛藤を抱えながら、それでもどうしようもない、行き先のない気持ちを抱えながら対立してすれ違う姿というのは見ていて辛いです。だからこそ、めんまが現れることになったんでしょうけどね。
そうした展開が続く中で、めんまの声に何か聞き覚えがあるなと思って確認してみたら、やはり、少し前に日記に書いた「那由多の軌跡」に出てきたノイと同じでした。全然関係のない2作ではあるんですけど、このノイが、最後は消え行く運命にあったところをもうこれ以上はないという素晴らしいエンディングで救われたこともあって、その対比にさらにいたたまれなくなる、なんてこともありました。

そんな複雑に絡まりあった思いも、お願いをかなえてもらうために現れためんまを成仏させることを軸に、ようやく最後の最後に解消されて、昔の姿を、「平和バスターズ」を無事に取り戻すことができたのが嬉しかったのも束の間、後は、悲しい別れしか残っていませんでした。
少なからず覚悟はしてましたけど、ここまで辛い思いするとは思ってなかったです。最終回を観終わった後の、やりきれない気持ちや救われない感じがふつふつと渦巻いて、一体この思いをどう解消したらいいんだと、ふとした瞬間に思い返して気分が深いところまで沈みこんで、その後たっぷり1週間は凹んでました。こうなると時が回復してくれるのを待つしかないんですけど、それでもなんとか気持ちを落ち着けなくてはと、ちゃんと“お別れ”をしなくちゃいけないと、もう一度最終回を観返したところで、ひとまず気持ちを立て直すことができたといった感じでした。

かつての「平和バスターズ」のメンバーズがようやく先に進めるようになったのは喜ばしいことで、昔に亡くなった女の子の幽霊が生まれ変わるために成仏したわけですから、それ以上何も望みようがないのは分かるんですけどね、それでもお嫁さんになりたいくらいに大好きという想い、もっとみんなとおしゃべりしたいというめんまの生きたかった気持ちの行き先はどこにあるんだろう、どうしたら報われるんだろうと思うと出口のない気持ちにとらわれてしまうのは致し方ないのかもしれません。

この作品は、アニメの舞台となった場所を訪れる、いわゆる聖地巡礼でも話題になってるみたいですけど、そんなやりきれない気持ちを軽くするべくお参りにいくという気持ちはなんとなく理解できるような気がしなくもないです。

ちなみにこの監督さんは、アニメの「アイドルマスター・ゼノグラシア」も制作しているので、そんな思いも寄らない共通項が存在していたという(笑
ちなみにこのアニメについては観始めてから5分で断念してます。「アイドルマスター」と付いていれば何でもOKというわけではなく、色んな意味でムリでした。
「あの花」を知るきっかけとなった「とらドラ!」のアニメについても、最後が原作と全然違う別物になってしまっているので、決して悪いというわけではないんですけど、おそらくは原作の半分ほどしか描けていないという思いもあって触れてみたい点がイロイロありますけど、これはまた別の機会に。