ウォークマンへの回帰

携帯音楽プレーヤーにはこだわりがあり、人生を振り返ってみるとイロイロと紆余曲折がありました。

一番最初に購入したのは大学に入って通学の時間に聴こうと思って購入したソニーのWM-DD9。これよりずっと前に兄が小学校の卒業祝いで買ってもらったソニーのウォークマンがずっと家にあったことが影響してか、普通にソニーの商品を選んでいました。たしかこの機種はメタルテープとドルビーCに対応していたオートリバース機で、その当時も結構なフラッグシップ機だったのではないかと記憶しています。

やがてメディアがカセットテープからCDに移行し、携帯プレーヤーもCD形式の機種が増え、とにかく外でも良い音質で聴きたいというマニアとってこれを選ばないのは考えられず、時の流れとともに振動による音飛びをいかに抑えるかという点にこだわった機種が増え、それがひと段落すると、いかにCDに近いサイズのコンパクトなサイズにするかというラインナップになったと思います。自分もD-303→D-E700→D-E990→D-E01と4機種を乗り換えた覚えがあります。

そしてCDの次に登場したメディアがMD(ミニディスク)。CDと同等の音質で、CDよりもコンパクトなサイズで音楽を持ち出せるということでMDウォークマンMZ-R909に移行しました。

登場すぐに乗り換えた、というわけではなく、MDもいわゆる圧縮音源だったので、聞き取れるほどの差異があるかどうかはさておき、CDに比べると厳密には劣化するよねという思いもあって迷うところもありましたが、CDプレイヤーのように媒体を交換するのに手間もかからず、かつコンパクトに持ち出せるということに魅力を感じ、最終的に移行した次第です。CDをMDにダビングする際、曲名を登録して表示させることができたのも転換点の一つではなかったかと記憶してます。

そして携帯音楽プレイヤーのエポックメイキングとなったのは、やはりiPodの登場でしょう。これによって、当時はソニーの独壇場と思っていたウォークマンの市場が一気にひっくり返ったのではないかと思っています。

といっても、iPodが登場してすぐに飛びついたわけではなく、過去の日記を見ると第4世代のiPodで初めて触れたようです。

iPodとは別に途中でランニング用にスティック型のウォークマンを購入したこともありました。

そして、iPodに移行してから5年後、ソニーが徹底的に音質を追求したという新しいウォークマンを投入してきました。もともとがソニー好きなこともあり、新しい物好きということもあり、どうせ買うなら限定色、ということでソニーストアに注文したのを覚えています。その辺りもちゃんと日記に残っているので、人生を振り返るのに日記が偉大です(笑

その後もポータブル環境での音質の向上にこだわり、iPodポータブルアンプを使う、イヤホンにもあれこれ手を出すという具合で、ソニー好きとして、ibasso d2+hjに続いて、PHA-1にも手を出してました。日記を見るとこんなウォークマンにも手を出していたようです。

ポータブルアンプの環境は確かに申し分なかったんですけどかさばるんですよね。充電もプレイヤーとアンプの両方を充電する必要がありました。おそらくはその辺の面倒臭さからプレイヤー単体でも優れた音質を楽しめるものを求め始めたのではないかと思いますが、アイリバーのブランドであるAstell&Kernに変えてから、AK100→AK120→AK240→AK380→SP1000→SP2000と機種を乗り換えてきました。2.5mmのバランスケーブルが使える、という点が一番の魅力だったのでしょう。

そしてソニーが4.4mmのバランスケーブルの規格を採用した機種を作り、フラッグシップ機NW-WM1Zを出したわけですが、4.4mmの規格が今後どうなるか分からず、イヤホンのケーブルは2.5mm規格で揃えていたので、即座に買い替えよう!ということにはなりませんでした。

それからしばらく後、そして2.5mmのイヤホンプラグが折れて本体内に残ってしまい修理に出さざるをえなくなり、さらにはイロイロとチップを換えて従来の機種からの改善を謳うアイリバーのやり方に疑問を抱くようになり、Astell&Kern以外の機種ってないものかしらん?と考えるようになっていたので、昨年2月にNW-WM1Zの第2世代NW-WM1ZM2が発売された時には大きく心が揺るぎました。長年のソニー好きとしては、そろそろソニーの機種に戻りたいという思いがあったのかもしれません。

とは言うものの、これまでの2.5mmのバランスプラグを全部4.4mmにわざわざ交換するのも費用対効果的にどうかなぁ?ということもあり、気にはなるけど買い替えるほどの特段の理由も見つからない状況でいたところ、今回のミクさんコラボの機種が発売されることになり、後の一押しを加えられた結果、乗り換えることになったのでありました。なので、8~9割は買い替えようかな、どうしようかなと思っていたので今回のコラボが決め手になったという状況ですね。昨年2月の発売直後に乗り換えていたら間違いなく後悔することになったでしょうから、これも天の思し召しだったのかもしれません(笑

コラボモデルは裏にこの刻印が入っただけで、それ以外は何もコラボ要素はありません。コラボ機オリジナル限定のパッケージ、壁紙とか楽曲があると良かったかなと思わなくもないですが、個人的にが刻印だけでも十二分に満足です。

この機種に限った機能ではありませんが、ソニーのウォークマンには、楽曲の再生中、画面にカセットテープを映すというギミックが盛り込まれています。5インチと大きくなった画面に表示されるテープはほぼ原寸大、しかも曲のデータに合わせてテープのグレードも変化するというので、いい意味でのこだわりというはアホです。DSDの楽曲を再生した際、最高級のメタルテープのカセットであった全面がプラスチックに覆われているグラフィックが表示された時には唖然としました。なんでもアルファベットの楽曲は全て大文字でラベル表記されるそうで、その理由が「カセットのレタリングシートは全部大文字だったでしょう?」ということなので、昭和世代にせっせと文字を転写してカセットレーベルを作っていた身にとっては刺さりまくることこの上なしです。

そんな機能があるところにこんなケースがあるとあっては入れない理由がありません。初代のソニーのウォークマンを模したケースで、まさに令和のウォークマンと言えましょう。なんでも先代の機種には韓国ソニー公認で、ソニーのロゴが入った同様のケースが発売されていたようですから、なかなかに遊び心があります。

もっともこのケースに入れていると裏のミクさんの刻印が見えないという欠点はあるんですけどね。それでもこの雰囲気には抗えませんから、このまま愛用することになりそうです。

本体はAndroid11がベースになっているので、色々とカスタムのし甲斐があります。オンラインの機能は基本的に要らないので全部無効にしてホームアプリも使い慣れているものに変えました。ソニー純正のプレイヤーを使わないとカセットテープのギミックを表示できないのが惜しいところです。プレイヤーのウィジェットのジャケット表示がもう少し大きくなると申し分ないんですけどね。アプリの再生画面ではちゃんと大きく表示されるので問題はありません。

NW-WM1ZM2には、

  • FitEar MH335DW Studio Reference(FitEar cable 007B 4.4 OFC)
  • MDR-Z1R
  • MDR-M1ST

を繋げて聴いてます。ハイゲインだとZ1Rが70位のボリュームでしっかり鳴りますし、FitEarのイヤホンは小気味のいい重低音がバスバス鳴って思わず笑みがこぼれるほどの音を聴かせてくれるので、これからの使い込みが非常に楽しみです。