昨年10月、前々から計画していた東北縦断ツーリングに3泊4日で行って来ました。なんで東北縦断?と言われると明確な理由はないですが、とりあえず本州最北端までバイクで行ってみようというただそれだけのお話。最終的には北海道まで行きたいところですが、北海道を1周するとなると流石に長い休みが必要になるのでそれは定年後のお楽しみです。
もともとソロで行く予定でしたが、まさかの希望者が現れたので2人で行くことに。2,000キロ以上走るわけですから、人のことを言えた義理ではありませんがよっぽどの物好きです(笑
自宅までの道のりを含めると2,400キロ余りとなりました。
1日目は浜松のサービスエリアに午前6時に集合し、山形県は銀山温泉の宿、瀧見館を目指します。ほとんど高速道路を走りっぱなしなので観光要素はゼロでしたが、バイクというのは走っているだけでも楽しいので長距離の移動は苦になりません。自宅から800キロほど走っても疲労が残らないのがアフリカツインの凄いところです。一緒に行った人もBMWのR1150RTとツアラー仕様のバイクだったのでほぼノンストップでも文句は出ませんでした。
銀山温泉と瀧見館の様子は先の日記にて。8月は本館でしたが、この日泊まったのは瀧見館別館の松涼の間。
自宅を出発する前から天気予報をチェックしていたので準備はしておいたところ、物の見事に翌朝に銀山温泉を出発する時は結構な雨で合羽からブーツカバーに至るまでフル装備となりました。旅館の方が心配そうに見送ってくれましたが、バイク乗りはそんなに雨を気にしないというか、雨に打たれながら走るのも非日常的な楽しみだよねとポジティブに考えてます。出先で何の準備も無しに降られると流石に厄介ですが、備えがあれば憂いはありません。
途中で雨が上がり、天気も回復傾向となったので合羽を脱ぎつつひたすら北上。割と順調だったんですけど、ナビが示す到着予定時刻がかなり遅くなったので何事かと確認してみたら花巻インター先で事故があったらしく、高速道路をいったん降りて下道で事故区間先のインターまで迂回しなければならない状況でした。それじゃあ仕方ないと最寄りのインターで降りようとすると当然の大渋滞でこればかりは耐えるしかありません。アフリカツインでAppleのCarPlayを使っていたおかげで停車している隙にインカムで宿に電話して到着が遅れる旨を伝えるのは簡単でした。siriに「海峡荘に電話して!」と言うだけで繋がるんですから本当に便利なものです。
高速を降りてから大間岬までの道のりがひたすら長かったです。片側一車線の道路がずっと続きます。宿に到着する頃には完全に日が落ちて暗くなってました。途中で右折すべきところを通過したためUターンした際に転倒したのが痛恨の極みで、下り坂の途中でUターンするもんじゃないというのが今回の教訓です。
2日目は本州最北端の宿という海峡荘。1人で泊まる予定だったところを2人になったので部屋は狭くなりましたが寝るだけなら何の支障もありません。晩ご飯を食べてお風呂に入ればあとは寝るだけですし。
この日の最大のお楽しみは宿の大間のマグロが出てくる晩ご飯。離れの食堂で他の宿泊客としゃべりながらの楽しい食事です。
タイミングよく手に入ったという大間のマグロのほほ肉がデン!と机に載っていてさながらステーキ肉のよう、卓上の鉄板で好きなように焼いて塩や醤油などお好みの味付けで食べるスタイルです。表面だけ焼いたレアステーキ状態で食べましたが、出てくる脂の量が半端なくてまさに美味し!な味わいでした。
宿のおばちゃんから「前来た時にはコレなかったでしょ?」と聞かれ、出ないも何も来たのは今日が初めてですが、会話の流れ的に「なかった」と答えるほかないだろうと話を合わせたら、同行者から「あれ、来るの初めてとか言ってなかったっけ?」とツッコまれ、辻褄合わせが面倒な場面を乗り越えつつ、最高の料理に舌鼓を打ってお酒を楽しみつつ、隣の年配の方から「わしらこんなに食べれんから兄ちゃん食ってくれ」と色々料理を差し出されながら大いに堪能してお腹いっぱいになったところで1日が終わりました。
翌朝は津軽海峡の日の出を見るべく早起きして歩いて海岸まで。歩くといっても宿を出ればすぐに海なのであっという間です。
本州最北端であることを示す石碑や、
こんなオブジェもありました。右側の手は、「わが生涯に一片の悔いなし!」ではなく、一本釣りの竿を握る手だそう。
対岸には北海道が見えました。大間岬からは午前7時にバイクも載せられるフェリーが出発していて、無料のキャンプ場もあるのでバイクで北海道を目指す際は、名古屋港からフェリーに乗る以外にもこういうルートを検討してみるのもアリです。船旅も味わいがあって好きなんですけどね。
海の岩場に鳥が止まっていたのでもう少し近くまで寄って写真を撮ろうと階段を降りていったところ、へばりついていたコケに足を取られてズルッと漫画のように後ろに大転倒して尻と左肘をしこたま敷石に打ち付けました。咄嗟に背中を丸めて後頭部を打たないようにしたのは日頃の訓練の賜物です、多分。
ズボンの尻ポケットにスマホを入れていたら確実に液晶画面が割れていただろうという勢いと衝撃で、そう言えば夕食時に宿のおばちゃんが、日の出を見に行った時にコケで転倒して骨折して病院に運ばれた人が何人もいるから気をつけなきゃあかんよ、なんて話していたのはこのことだったんかーい!と気付いた時には後の祭り。ドジな人もいるもんだと聞き流してましたが、人のアドバイスには真摯に耳を傾ける、今回のツーリングの教訓その2なのでありました。
青森から新潟の宿への移動は天候に恵まれました。途中で宿に連絡してバイクを停める場所を確認すると送迎バス用のシャッター付きガレージを自由に使ってくださいというありがたい申し出で屋根があるところにバイクを停められるのは嬉しいことです。ナビが誤作動を起こして現在地が分からなくなるというトラブルに一時的に見舞われたものの、3日目の宿となる瀬名温泉は大清荘に無事に到着。ガレージは思っていた以上に利用できるスペースが広く、これ幸いにと濡れたままになってた合羽を広げて乾かしておきました。
宿の案内には「昭和感溢れる建物です」と書かれていて、確かに見た目はそうであるものの、中はきちんと管理されていて居心地もよく、これくらいの建物の方が風情があっていいものです。
旅館のウリは夕日が沈むのを眺めながら入ることのできる大展望温泉ですが、この日はあいにくの曇りがちで見られませんでしたが、温泉の気持ちよさは格別で連日の移動で溜まった疲れは十分に癒されたので大満足です。
晩ご飯は、白米とお味噌汁はお代わり自由、右上は豚しゃぶと肉に魚と料理はイロイロ、これはお酒を勧めるラインナップだろう、飲まずにはいられない!ということで、
メニューにはしっかり地酒が載っていたのであれよあれよという間に各種2合ずつの計8合。もう2本飲んだら1升だったんですけど、翌朝の運転のことも考えてセーブしました。ビールも飲まずにいきなり日本酒からスタートするという飲み方も久しぶりでした。
部屋は日本海に面しており、窓の外は一面の海だったものの、翌朝の天気も雨模様と日の出を見ることはかないませんでしたが、温泉宿ですというこの雰囲気だけでも満足で、やっぱり畳の部屋はいいものです。当初は宿に来る途中で地酒を買って風呂上がりに部屋でゆっくり飲むことも考えてはいたんですけど、疲れていて早く寝たいという欲求には勝てませんでした。
自宅へ戻る4日目の天気は残念ながらの雨、宿を出発する時はまだ降っていませんでしたが、予報を見ると疑いようもなかったので雨具のフル装備、前日にしっかりと広げて干しておいて正解でした。案の定、宿を出て間もなくすると降り出し、途中で相当の大降りにも見舞われましたが、名古屋を目指して南下していくうちに少しずつ雨雲を抜け、最終的には武装解除できたのが幸いでした。10月だと蒸し暑さはなかったですが、夏場のツーリングだったらサウナ状態だったことでしょう。
ということで、ようやく以前から計画していた東北縦断ツーリングは無事に終了し、東日本はあらかた走ったので、次はまだ走ったことのない中国地方&九州地方を巡るツーリングを見当したいところです。できれば4泊5日くらいで。