真夜中に 響く鳴き声 怒髪天

真夜中にてんの鳴く声がドアの向こうから聞こえてくる。どうやら起きて階下におりてしまった親に向かって吠えているようだ。自分の部屋のすぐ横に階段があって、ここから階下に向かって吠えられると、その鳴き声がモロに扉の向こうから聞こえてくることになる。
「う・・・うるさいなぁ」と思いつつ、まぁ数分もすればあきらめて鳴き止むだろうと思い、しばし布団の奥に潜り込んで待つも一向に収まる気配がない。これだけ鳴いてるんだから、親もいい加減に抱えて下におろしてくれればいいのに。それからじばらく我慢を続けるもてんは鳴き止まず、階下におろされる気配もないのでついに堪忍袋の緒が切れた。
ぬくぬくと体を包んでいた掛け布団をはねのけ、扉を開けるやいなや、

「じゃかぁしぃー!」

あまりの剣幕に驚いたのか、てんは慌てて逃げていく。そして今回なぜかうんともすんとも鳴いていなかったどんが嬉しそうに足元にすり寄ってきた。時計を見るとまだ午前1時半・・・なんでやねん。
そのままズンズンと1階に下り、「なんであんだけ鳴いてんのに、下に連れてかへんねん!」と文句を言うと、「すぐ上に行くつもりだった」らしい。だったら10分以上鳴きっ放しの状態にすなー!
自室に戻って布団に潜り込むと同時に、どうやら無事てんも1階に下ろしてもらえたらしく、鳴き声は収まる。しかし怒りはなかなか収まらず静かになったはいいものの寝るに寝付けない。あー、もうたまらーん!
当然に目覚めのすっきりしない朝となってしまった。今晩もこんな状態になったらどうしてくれようか。

眠りについて起きるまでの間のイベントが日記となってしまったなんとも珍しい1日。