摩訶不思議 機械に潜む 相性難

パソコンには「相性」と呼ばれる不思議な現象がある。機械同士で相性もへったくれもあるかいな、と思わずにはいられないけれど、実際にあるのだから仕方がない。完全に合わない場合もあれば、接続する順番を変えたり、差し込む場所を変えれば合う場合もある。この相性の正体は一体何なのだろう。もっとも「相性だから」の一言で全て説明が通ってしまうので、言い訳としても楽な単語ではある。

ということで、以前CD-Rに焼いておいたデータが一向に読み出せなくなってしまう。前に使っていたドライブではまるで問題なかったのに、今のドライブでは途中でシークエラーとなり、先に進まない。特にCD盤面に大きな傷があるわけでもなく、長期にわたって直射日光にさらしたわけでもない。ノートパソコンに接続しているCD-Rドライブで試みるも結果は同じ。むむむ、これは困った。

一度CDを仮想化してみようと試してみると、デスクトップPCのドライブでは60%辺りで止まり、ノートPCのドライブでは1%進んだところでうんともすんとも言わなくなる。少なくともノートPCのでは以前はちゃんと読み込めていたのになぜだ?!

最後の手段で、ほとんど使うことがなくなっていた、ノートPC内蔵の焼き機能の付いていない純粋なCDドライブを引っ張り出す。いろんなメディアに対応しているドライブよりも、シンプルな機能のドライブの方が、なんとなく強い気がする。
CDをセットして仮想化開始・・・おぉ、まずは1%クリア!着々と作業は進み、ついに60%の領域に差し掛かる。さぁ、ここを乗り越えてくれればなんとななるはず、祈るような気持ちで数字が進むのを待つ・・・61%・・・62%・・・63%・・・よしっ!
無事に壁を突破してくれたようで、数字がどんどんと進んでいく。途中で止まるなよーとヒヤヒヤしながら見守り続けたのが功を奏したのか、100%を達成して見事に仮想化完了。そして中身をチェックしてみると、全然読み取ることのできなかった内容がバッチリアクセスできるようになっていたのでこれにて一件落着!

しかしR機能の付いたドライブで読み込めないものが、R機能無しのドライブでは読み取ることができたのか、相性なのかハード的なちゃんとした理由があるのか、大きな謎ではある。となると一番シンプルなドライブも残しておかなくてはいけないことにもなる。
人間の相性も確かに不思議なものではあるけれども、心を持たない機械同士の相性というのはもっと不思議だ。