ピエトロ王子の「はじまりの冒険」にいざ出発!

時は0時を過ぎ、日付は10日へと変わる。ようやくパッケージの封を開ける瞬間がやってきた。やはり開ける前に両手で高くかざしてついつい「開けまーす!」と宣言せずにはいられない。東西南北四方に向かってかざした後、はやる心をどうどうと抑えつつ、丁寧にビニールをはがす。わずか数センチのUMDがとてつもなく大きなものに感じられる。そしてディスクをPSPにセットした瞬間、手に持つ重みに変化が生じる。ディスクをセットする前282グラム、セットした後294グラム・・・などという小咄ではなく、電源を入れ画面にタイトルが表示された瞬間、ぐっと両手に力を込めて受け止めずにはいられないほどに、思みが増す。確かな手ごたえ、夢ではないまぎれもない現実、かけがえのない重さ。これは両手で把持するが故に感じることが出来るものなのかもしれない。
そしてタイトル表示後に流れ出す、ポポロのムービー。パイロットフィルム、ポポロ1、ポポロ2のムービーが田森先生からのメッセージとともに流れてゆく。もうこれだけで全身音を立てて総毛立ってしまう。頭のてっぺんから足のつま先まで熱いものが駆け巡ってしまう。川のせせらぎから生まれた流れが何を生み出していくのかをぜひとも見届けていきたいと強く思う。そして・・・ピエトロ王子の「はじまりの冒険」が遂に幕を開ける。

これは新しい時代の絵本と呼ぶべきものかもしれない。

しかし時間が時間なだけにゆとりがない。せっかくだから時間を気にすることなくじっくり楽しみたいので午前1時をもって終了し、さすがに最低限の睡眠は必要ゆえに、後ろ髪引かれる思いで布団に入る。甘かった・・・これだけ感情が昂ぶっていたらそうそう簡単に寝付けるはずがない。しかも太陽の恵みを思いっきり吸収した布団なだけに暑い。寝付けないような寝たような、はっきりしない睡眠状態で朝を迎える。はっはっは、やはり眠いぞ。

仕事も一段落し、夕刻になると思いもよらず声をかけられる。

「今晩、なんか予定ってある?」
「あります、思いっきり(キッパリ)。申し訳ありませんが」

100%飲みのお誘いであるのが分かったので、躊躇することなく婉曲に断る。こういう時は「なんか断るのも悪いし、かといって飲みにいくのも困るなぁ」と迷ってはいけない。その迷いが返答までのレスポンスに微妙な影響を与えることとなる。ムリな場合は明確な意思をもって断るのがベスト。

家に帰って晩ご飯を食べると一刻も早くPSPを手に取りたいのだけれど、その前にどうしても済ませておかずにはいられないことがあるので、じっくりと気持ちを落ち着けてパソコンに向かい、メールをしたためる。本格的に冒険を始める前に、このメールだけは送っておきたい。

そしていよいよスイッチオン!面白い、これは本当に面白すぎる!何よりもブリオニアの歴史語りがたまらない。まさにリメイクされたが故に示唆に富んだ内容となっている。このような具合で物語が進んでいくとしたら・・・考えただけでもワクワクしてしまう。

「あれがない、ここが違う」などと単純に比較するなかれ。もしそうした観点にとらわれてしまったら、真の姿を見誤ることになろう。