1月27日は、「ポポロクロイス物語2」が発売されて20周年となる日です。ポポロ1、ポポローグにファーストアニメを通じてエネルギーが充填された「ポポロ砲」のトリガーを引いて、この探偵局の起点となった作品ですから、その感慨はまたひとしおなんですよね。探偵局も約1か月後の3月で同様に丸20年になりますから、振り返ってみると我ながらによく続いているなぁと思わなくもありません(笑)。
2000年1月27日(土)当日のことは今でもよく覚えています。その1年前に転職して新天地に配属されて研修真っただ中の身分でした。予約したのは、今ではもうなくなってしまいましたが、藤が丘駅前にあった白樺書房というゲームソフトも扱っている本屋さんで、ポポロのアートブックもそこで買ったものでした。当然に発売日前からゲーム雑誌を読み、シュガー&ロケッツの公式サイトを見ながら楽しみにしていて、発売日には仕事帰りに確実に受け取ることが出来るようにと予約しておきました。今の立場であれば、その日は意地でも定時で早く帰るとか、いっそのこと有給取って開店と同時に取りに行くなんてこともできたんでしょうけど、研修の身ではそんな自由がきくはずはありません。
その日の仕事が終わったのは午後8時近くで、定時を過ぎた頃からやきもきしながらソワソワしながら落ち着きをなくしていましたが、急げばまだ何とか閉店ギリギリに間に合うというタイミングでした。予約特典のなみだふいてねハンカチと共に無事に受け取り、晩ご飯を食べてお風呂に入ったところで午後10時は回っていたんでしょうけど、削れるところを削るという大原則に基づいて、睡眠時間を削って初日は夜中までじっくりたっぷりと没入です。それから1か月ほどかかってエンディングを迎えました。とにかくもう涙ぼろっぼろになりながらレムリア大陸でのピエトロとナルシアのあまりにも悲しい姿にいたたまれない気持ちになり、だからこそユリウスとマイラから願いを問われ、ナルシアは救われるんだ!と心臓バクバクさせながら確信した時の喜びは凄まじかったです。それまでの悲しみの涙が歓喜の涙に変わった瞬間でした。
実のところ、この時にはまだサニア王妃のことが心残りではあったものの諦めていたんですよね。ところが、ピエトロがベッドで目を覚まし、エレナにお母さんのことを伝えなくちゃと言葉に詰まった時に部屋に入ってきたわけですから、あまりにも不意打ちすぎて、たまらなく嬉しくて、エレナから「にいさま、こどもみたい」とからかわれながらも「お母さん!」とサニア王妃にしがみついたピエトロの姿に「良かったね、本当に良かったね」と心の底からの祝福したものでした。それからかけあしの泉に向かい、ナルシアを見つけ、ここでもやっぱり良かったなぁとしみじみ思いながら2人の姿を見守りました。湖の妖精と同じように、近付きながらも一向に縮まろうとしないその距離感にじれったく思ったのは言うまでもありませんが。「種族や姿なんて関係ない」というピエトロの言葉をナルシアはどれほど嬉しく聞いたことでしょう。
「僕と・・・」その言葉は最後まで語られることはなく、視点は青空へと向かい、流れ出すエンディングロール。「小さな花」を聴きながら、白騎士やガミガミ魔王のその後の姿を見ながら、あふれ出す幸福感に酔いしれていたら、ここでまた鬼面童子のあの場面が出てきたわけです。後で冷静に振り返ってみたら、ちゃんと公式サイトに「妻子と生き別れになり」と書いてあったのでそんなに驚くことではなかったのかもしれませんが、まさかこのタイミングで3人が生きて再会する場面に立ち会おうとはこれっぽちも思ってもいませんでしたから、サニア王妃の時と同様に、不意を突いた幸福感に打ちのめされるとはこういうことか!と言わんばかりの思いと、あまりにも優しすぎるポポロクロイス物語の世界への感謝の念が押し寄せて、まさに大洪水状態です。それこそ、なみだふいてねハンカチでは絶対に足りなかったくらい(笑)。
これほどまでに心を激しく揺さぶられてしまった結果、その翌朝が大変でした。出勤前の朝の身支度で洗面所で歯を磨いていると、昨日見たエンディングと幸福感が蘇るのと同時に、何とも言えない寂寥感、胸に大きな穴がぽっかりと空いてしまった気分になったんですね。こんなにも優しくて嬉しいポポロの物語が本当に終わってしまったんだな、と。日中仕事をしている時でも、ふとその記憶に心を向けると一気に感情がその穴に吸い込まれました。布団に入ってはフラッシュバック、翌朝目覚めてはフラッシュバックと、数日の間は大げさではなく本当の意味で、考えることは寝ても覚めてもポポロのことばかり。
そんな思いを抱えながら過ごしているうちに、「ポポロを讃えたい、ポポロへの想いを表したい」という思いがついに臨界点に達し、ありったけの思いをぶつける場所として、この探偵局を立ち上げることになりました。その当時はまだどれだけサイトを続けようとか考えていたわけでもなく、今こうして振り返ってみたら20年も経ってた!という状況です。
色んなことがあった20年でした。探偵局を立ち上げて8か月後の11月には一大突撃を敢行して今現在につながる縁が生まれたかと思えば、その翌年の年末には人生の非常に大きな転機も訪れました。この転機によって再び自由な身を手に入れたことで一層活発になったという一面もあります。今もこうして変わらずポポロのことを追い続けることが出来ているのはありがたいことだと思います。ナル笛のこれからとその先がどうなっていくかはまだ分かりませんが、これからもずーっとポポロの世界を探求していきたいと改めて思う、ポポロ2の20周年を目前に控えた日記なのでありました。