寒風の吹きすさぶ中仕事をしていると除夜の鐘が聞こえてくる。おぉ、いよいよ新年の幕開けだー!・・・などと感慨深いことを感じるゆとりもなくただひたすらに寒い寒い。幸い何事もなく午前4時には仕事も終了。終了したはいいけれど、地下鉄は動いていても名鉄電車が動いていないんじゃ帰るに帰れない。金山駅のマンガ喫茶で始発電車が動くのを待とうと思っていたら、みんな考えることは同じのようで、朝の5時だというのに順番待ち。順番待ちで座ってくつろいでいるうちに、始発の発車15分前となったところでようやく席が空いた。15分だけでも、と思ったものの、1時間の料金で15分で出てきてしまうのももったいないので、昨日の朝から一睡もしていないのだから一刻も早く家に帰って寝りゃあいいものをそのまま1時間居座る。
家に戻り兄夫婦と新年のあいさつをして正月料理をつっついたところで、仮眠を取ることとした。もっとも既に午前9時を回っているのでそんなにグーグーと寝られるわけではない。3時間ほど眠ってなんとかすっきり。兄がオークションのやり方を知りたいというのでパソコンで大まかな流れを説明する。「で、何か落札したいものでもあんのん?」「んー、ちょっと欲しい時計があって『ジェラルドジェンタ バイレトロ』と『バゼロン コンスタンチン メルカトール』で検索してみて」・・・一体全体なんじゃいなと思いつつ検索してみたら・・・あ、あのな、車1台は買えるような時計を一体どーするつもりじゃー!「いや、さすがに買えはせんけど、なかなかいいデザインとちゃうか?」確かにこういう機械式の特殊機構のついた時計を見せられるとウズウズしてしまうものがある。電池で正確な時を刻む時計は非常に便利だけど、電池を使わずに時計ケースのような小さい空間の中に歯車機構で複雑な機能を実現しようとする職人技はお見事としか言う他はない。うー、こんなものを見せられては・・・物欲のスイッチが入ってしまうではないか!どんなものか実物を手にした上で検討したいから買った時には見せてね。人のことを言えた義理ではないけど、兄貴も相当マニアックなこだわりがある。
午後からは帰省の折には恒例となっている映画鑑賞。お正月映画ということで興味のあるタイトルはいくつもある。大作で考えるなら「ラストサムライ」か「ファインディングニモ」のいずれかを選択するところだけど、ちょこっと気になる映画があって、意見の一致も得られたので、今日のところはこの1本を選んだ。ジム・キャリー主演の「ブルース・オールマイティ」。雰囲気的にトム・ハンクスを思わず連想してしまうようなハートフルコメディ映画のようだ。映画館の大画面でわざわざ観るようなものではないかもしれないけど直感的に惹かれるものがあるんじゃ仕方がない。
しかし、正月ゆえに混み方が尋常ではない。車を止める場所を確保するだけで随分と時間がかかってしまう。幸い映画の方は席は十二分に空いていた。今日は1日ということで料金は1000円均一、ううむ、正月のかきいれどきでもその値段と貫くとは素晴らしい!感謝感謝♪
映画は、期待通りに面白い。映画館もあっちこっちで笑いが起こって、思う存分笑えてしまうのがこれまた楽しい。これが中途半端なものだったりすると押し殺したような笑いが起きるだけなので精神衛生上非常によろしくない。ジム・キャリーのよくもここまでゴム人間のように顔の表情を変えることができるものだとその怪演ぶりには圧倒される。「マスク」が懐かしくなってまた観たくなってきた。しかし笑いだけではなくメッセージ性もある。元気がない時とか迷っている時に観ると間違いなく元気が出てくる映画ではないかと思う。 「君には人を笑わせる才能がある、私がそう創ったのだから」 神様がジム・キャリーに言う。この一言だけでも相当ずっしりと重いものがある。他にも 「奇跡を起こせるのが人間の力だ」 とも言う。笑ってしみじみとして考えて元気の出る映画、かな。派手さは決してないけど非常にほっとできる内容だった。いいもの観させてもらいましたでー。
夕食は正月恒例となっているすき焼き。未だにこの年になっても中学、高校と何かとキビシイ時を過ごしてきた分、特別な思い入れがある。もう条件反射的にガミガミ魔王のことを思い出してしまう。親も、年に何回もないすき焼きを喜んでいる自分達の姿を見て嬉しくなっていたのかなしれない。なーんてことをついつい考えさせられてしまう雰囲気を醸し出しているんだなぁ、コイツは。・・・さすがに食いすぎて朝からの餅やらイロイロがたたって腹が苦しい。胃薬のお世話になるようなことはなるべく避けよう。